柔道整復について

柔道整復師に取扱を認められている健康保険の内容

柔道整復師は厚生労働省から、健康保険の取り扱いが認められています。その内容は、骨、関節、筋肉、腱、靭帯などに加わる急性、悪性の原因によって発生する骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷などの損傷に対し、手術をしない「非観血的療法」によって、整復、固定などを行い、人間の持つ治癒力を最大限に発揮させる治療です。

保険の適用

整骨院、接骨院などで適用される保険の範囲には制限があります。保険が適用されるのは「急な外傷(ケガ)」のみです。
例えば、

  • つまづいて打った → 打撲
  • 急に振り向いたときに首を捻った → 捻挫
  • スポーツをしていて踏ん張ったときに肉離れ(挫傷)になった
  • 手をついたときに骨を折った → 骨折
  • 子供の手を引っ張ったときに、子供の肩が上がらなくなった → 脱臼

などのケガに対しての施術、応急処置に対応しています。 いとう鍼灸整骨院では、特にスポーツによるケガで来られる患者様が多くおられます。
慢性的な肩こりや腰痛、原因のわからない痛み、昔に痛めたところの痛みには、保険は適用できません。 上記の症状を保険で取り扱うことは違法です。
他にも骨折や脱臼の応急処置は医師の同意が必要です。仕事中や通勤途中のケガは労災保険の適用となり、職場への申請手続きが必要となります。 交通事故には、自賠責保険が適用されますので、詳しくは「交通事故」のページをご参照ください。

捻挫(ねんざ)

img_osteopath01

img_osteopath02

捻挫とは、骨と骨を繋ぐ可動部関節周辺部位の損傷、関節を包む関節包や骨と骨を繋ぐ靭帯及び軟部組織を損傷した状態のことです。関節が、本来動く範囲を超えて動いてしまった場合、関節まわりの軟部組織の損傷は起こります。多くはその損傷のため患部に痛みや腫れ、熱感や発赤等の炎症症状が出現します理論上、関節がある部位なら場所を限定せず全身に起こりうる可能性があります。しかし現実的には捻挫を起こすリスクの高い関節と低い関節はあります。ギックリ腰やムチウチの一部は、それぞれ腰椎や股関節、頚椎を捻挫した状態の場合が多いです。

捻挫を早期に治すには、受傷してからどれだけ早く適切な処置・施術をするかにかっかっています。「ちょっと足をくじいただけ」とか「腰がピキッってなったけ」、「けどまぁ大丈夫だろう」というのが、症状を悪化させたり、治りにくくさせたりする原因です。また、捻挫をきちんと治さなかった場合、その関節は以前よりも捻挫を起こしやすくなります。そのような関節があると、身体自体も歪みが出てくるので、慢性的な肩こりや腰痛などの症状を引き起こす可能性もあります。 少しでも関節部分に痛みが出たら、なるべくすぐに受診するようにしてください。

肉離れ(にくばなれ)

img_osteopath03

筋肉の損傷はレベルにより筋間損傷、部分断裂、完全断裂などに分類されます。肉離れの場合は筋膜や筋線維の部分損傷と言えます。ただし定義の詳細は文献等によって異なります。スポーツをしている最中に起こりやすく、筋肉が収縮している時に強制的に引き延ばされることによって起こることが多いですが、日常生活においても急な動作をしようとした時や、階段を駆け上がった時など、静から動に移行した際に起こりやすいケガの種類のひとつです。

肉離れも、受傷後なるべく早期に施術を開始した方がより早く治ります。 「筋肉痛みたいな感じだから大丈夫だろう」「動くからまぁ良いだろう」と、たとえ軽い肉離れでも何もせず放置していると、肉離れを起こした筋肉は、次は以前より弱い力でも肉離れを起こしやすくなり、その肉離れの程度もひどくなっていきます。少しでも筋肉部分に痛みがある場合は、なるべく早く受診するようにしてください。

打撲(だぼく)

img_osteopath04

スポーツや日常生活などで、身体の一部を何かにぶつけた際などに起こります。初期には内出血や炎症による患部の腫れ、及び発熱を起こし、熱がおさまった後でも患部に負荷がかかったり、振動を与えたりすると痛みが出ることがあります。受傷の程度や体質でも違いが出ますが、軽傷の場合は1週間ほどで治ります。 軽い打撲の場合は自宅でまず患部を冷やし、シップ等を少しひっぱりながら貼って圧迫しておくと、すぐに治癒します。かなり腫れがある、ズキズキ痛む等の症状がある場合は、適切な処置をしないと長引く場合がありますので、なるべく早く受診するようにしてください。

挫傷(ざしょう)

▼下腿部の挫傷(筋肉の損傷が激しいため、
足首まで内出血が出ています)

img_osteopath05

img_osteopath06

挫傷とは、打撲などの鈍力による外傷で,皮膚表面の損傷が少なく皮下組織の損傷が主体をなすもののことです。症状は皮下出血や浮腫(ふしゅ)などで、さらに深部の骨、腱、筋肉、内臓の損傷を伴うことがあります。整骨院で扱うのは主に筋挫傷 筋挫傷は発生の仕方こそ違いますが、肉離れと同様の施術となります。
筋挫傷は適切な処置をしないで放置していると、今度は弱い外力によって肉離れを起こす可能性が高くなります。受傷されましたら、たとえ痛みがそれほどではないと感じても、なるべく早期の受診をおすすめ致します。

骨折(こっせつ)

完全骨折

外力により、骨が完全に連続性を失った状態のことです。

不全骨折

不全骨折とは、何らかの理由により骨が連続性を完全に失わない状態の骨折のことです。骨にひびが入っている状態である亀裂骨折や、骨の内部が離断しているにも関わらず骨の表面の骨膜に損傷がないため、外形的には変化が見られない骨膜下骨折などが不全骨折の典型的なものです。また、疲労骨折も不全骨折となることが多い骨折です。
当院では、受傷直後の処置後、整形外科を紹介させていただき、そちらでレントゲン撮影等の検査を受け、医師より同意を得た場合に骨折に対する施術をさせていただきます。(医師の同意は口頭でも構いません) 一度整骨院に受診してから、また整形外科に受診するのが負担の場合は、良い整形外科をご存知でしたらそちらを先に受診してください。もしご存知ない場合は当院が紹介させていただきます。

脱臼(だっきゅう)

完全脱臼

骨と骨の関節面が完全にずれてしまい接触がないものを完全脱臼といいます。要するにに関節がはずれるというものです。

亜脱臼

骨と骨の関節面に部分的な接触が残っているものを亜脱臼といいます。脱臼自体は関節を入れる(整復する)と治ります。しかし、脱臼したことにより関節周囲の軟部組織の損傷がありますので(ひどい捻挫のような状態)、その施術をしていきます。